日本人の食卓に欠かせない「お米」ですが、ここ最近の価格高騰で、これまでよりも購入時にシビアな目で選ぶ人が増えています。
特に国産米の価格は2024年後半から2025年にかけて急上昇し、消費者にとっては悩みの種となっています。
そのなかでも注目されるのが、比較的安価な「ブレンド米」です。
今回は、ブレンド米の現状や価格帯、さらにブランド米に劣らないようにおいしく炊き上げる方法について詳しく解説します。
もくじ
米価格の現状・2025年の市場感覚
2025年5月時点で、日本国内の米価格は高騰を続けています。
たとえば、かつては業務スーパーやディスカウント店などで、5kgの米が2,000円前後で購入できることも珍しくありませんでした。
しかし現在では、同じブレンド米であっても5kgで3,500円以上が一般的な水準です。
いくつかの例を挙げると、
- 業務スーパー:5kgで3,800~4,200円程度
- トライアルなどの激安スーパー:4kgで2,999円(5kg換算で約3,749円)
- ネット通販や全国平均:5kgで約3,900円
このように、2025年現在の「底値」はかつてのイメージとは大きく変わっており、5kgで2,300円前後といった価格帯はもはや過去のものと言えるでしょう。
そもそもブレンド米とは?
ブレンド米とは、その名の通り複数の品種や収穫年の異なる米を混ぜたものです。
スーパーでよく見かける「国内産ブレンド米」は、次のような背景があります。
- 品種を問わず、在庫処分やコスト調整のために混合
- 古米や規格外米などを含む場合がある
- ブランド米と比べると、粒の大きさや粘り、香りが劣ることが多い
しかし、すべてが「質が悪い」というわけではなく、日常的に食べるには十分なクオリティであることも少なくありません。
ブレンド米以外の「安い米」はあるのか?
結論から言えば、一般のスーパーで見かける「安い米」はほぼブレンド米のみです。
以下のような米もありますが、流通事情としては非常にレアです。
- 古米・古古米:ブレンド米に混ざって使われることはありますが、単独での販売は稀。
- 規格外米(くず米):ほとんどが業務用または農家直売で、スーパーには流通しません。
- 訳あり米(アウトレット米):期間限定で特設コーナーに並ぶことがあるものの、常設はされません。
つまり、一般消費者がアクセスしやすいのは、圧倒的にブレンド米というのが現実です。
ブレンド米をおいしく食べる工夫・プロも実践する5つのポイント
「ブレンド米はおいしくない」という先入観を持つ人は多いですが、ちょっとした工夫でブランド米に負けない炊き上がりを実現できます。
1. 洗米は「やさしく&念入り」に
ブレンド米はヌカ臭が出やすい傾向があります。
最初の研ぎ水はすぐ捨て、2~3回しっかりすすぐことで、雑味を軽減できます。
2. 浸水はたっぷり時間をかける
古米が含まれている可能性があるので、1時間以上浸水させるのがおすすめ。
夏場は冷蔵庫で浸水させると風味を守れます。
3. 水加減は「やや多め」がコツ
乾燥気味な粒が多いこともあり、通常より5~10%増しの水加減が適しています。
炊飯時の水分量を少し増やすだけでふっくら感が変わります。
4. ひと工夫でおいしさアップ
以下のものを少量加えると、簡単に味わいがアップします👇
- 日本酒(大さじ1)→ 風味が豊かに
- 米油(小さじ1/2)→ ツヤが出る
- 昆布(5cm角)→ 旨みがプラスされる
5. 炊きあがり後は「蒸らし&ほぐし」
炊きあがった後、10~15分蒸らしてからふんわりとほぐすことで、ご飯の粒が立ち、全体の口当たりがアップします。
炊飯器の性能も味を左右する
最近の炊飯器は、「銘柄炊き分け」や「古米モード」などの高性能機種があり、これらを使うとブレンド米の弱点を補いやすくなります。
もし炊飯器が古い場合は、土鍋や厚手の鍋で炊く方法も選択肢としておすすめです。
土鍋・厚手の鍋での基本の炊き方(2合の場合)
もし、お持ちの炊飯器が古く、美味しく炊けそうにない…と考えるなら、土鍋を使った焚き方がおすすめです。
見張りが必要になるため、難易度が上がりますが、慣れればどうという事はありません。
ブレンド米で美味しく米を食べたいのであれば、一度は実践してみたい方法ですよ。
用意するもの
- 米:2合
- 水:約440ml(※やや多めがおすすめ)
- 必要に応じて:昆布、米油、日本酒など(お好みで)
下準備
米を研ぎ、30分~1時間程度浸水させます。
浸水後、しっかり水を切ります。
水加減
通常の目安は米の1.1~1.2倍の水ですが、ブレンド米はやや乾燥していることがあるので、5%~10%多めにするのがコツです。
例:2合(約300g)→ 水約440ml程度。
炊飯プロセス
ステップ1:中火で加熱
土鍋(または厚手鍋)に米と水を入れてフタをし、中火にかけます。
7~10分程度で、沸騰音(コトコト音)がしてきます。
ポイント:吹きこぼれが始まったら次のステップへ。
ステップ2:弱火で炊く
沸騰したら、すぐにごく弱火にして10~12分間炊きます。
この間に米の芯までじっくり火が入ります。
ステップ3:強火で仕上げ
炊き終わり直前(最後の1分程度)、強火で一気に加熱しておこげを作ると、香ばしい香りがプラスされます。(おこげが不要ならこの工程は省略OK)
蒸らし
火を止め、フタをしたまま15分程度蒸らすことが大事です。
蒸らしの間に、余分な水分が飛んでちょうど良い炊きあがりに。
仕上げ
蒸らしが終わったら、しゃもじで底からふんわり持ち上げるように全体をほぐします。
土鍋の場合、熱が逃げにくいので蒸気を飛ばしてちょうどよい硬さに調整できます。
土鍋炊きのメリット
- 粒立ちがしっかりして、ふっくら&つややか
- 炊飯器よりもおこげができやすい
- 加熱コントロールが自由なので、ブレンド米の弱点(粘り不足・香り不足)を補いやすい
注意点
- 土鍋は蓄熱性が高いので、加熱しすぎ注意です。
- 初めての場合、焦げやすいので火加減をこまめに調整してください。
- 吹きこぼれに備えて鍋底に受け皿を敷いておくと安心。
応用テク
玄米や雑穀を加えるときは、浸水時間を倍程度にするときれいに炊きあがります。
古米臭が気になるときは、炊く直前に昆布5cm角、日本酒大さじ1をプラスするとよりおいしいです。
ブレンド米を賢く&おいしく使いこなそう
2025年現在、米の価格は高止まりを続け、安価なブレンド米でも5kgで3,500円以上が主流となっています。
ブレンド米は、ブランド米と比べると食味や質がやや劣るとされますが、洗米・浸水・水加減・隠し味・蒸らしの基本を守るだけで、驚くほどおいしく炊き上げることができます。
「安いから仕方ない」とあきらめるのではなく、ちょっとした工夫でコスパ最強のごはんライフを楽しみましょう。
節約時代の今こそ、ブレンド米を味方につける知恵が大きな武器になりますよ!