FXや株取引を初心者がやらない方が良い理由と初心者にもできる投資まとめ

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FXや株取引を初心者がやらない方が良い理由と初心者にもできる投資まとめ

FXや株取引は、一見すると手軽に始められ、短期間で利益が出るようなイメージを持たれがちです。

スマホ一つで取引ができる時代となり、副業や資産運用の一環として関心を持つ人も増えています。

しかし、こうした金融商品は本質的にリスクが高く、正しい知識と経験がなければ、かえって資産を大きく失う危険性があります。

特に初心者の場合、「儲かりそうだから」と安易に手を出すことで、後悔する結果につながるケースが後を絶ちません。

この記事では、なぜFXや株取引を初心者が避けた方が良いのか、その具体的な理由と過去の事例をもとに詳しく解説していきます。

初心者がFXや株取引を避けるべき理由

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十分な知識がないまま始めると失敗しやすい

FXや株取引は、誰でも証券口座を作ればすぐに始めることができるため、気軽に感じられるかもしれません。

しかし、その手軽さとは裏腹に、市場で利益を上げるためには高度な知識が求められます。

経済指標、金利政策、地政学リスク、企業の決算など、価格に影響を与える要素は非常に多岐に渡ります。

初心者のうちはそれらの情報の意味を理解するのも難しく、ただの「材料」としてしか見えないことがほとんどです。

また、チャートの見方やテクニカル分析の基礎、ファンダメンタル分析の重要性、リスク管理の概念など、学ぶべき内容は膨大です。

それらを知らずに実際のお金を使って取引を始めてしまうと、ギャンブルとほぼ変わらない状況に陥ります。

結果として、思ったように利益が出ず、資金を失う可能性が高くなります。

感情による判断ミスが多発する

金融市場では「欲望」と「恐怖」が常に入り混じっています。

利益が出そうになると「もっと儲けたい」と思い、損失が出ると「取り返したい」と焦ってしまう。

こうした感情に支配された取引は冷静さを欠き、往々にして間違った判断を導きます。

特に初心者は「損切り」ができない傾向があります。損失を確定するのが怖くて、いつか戻るだろうと根拠なくポジションを持ち続けてしまい、結果的に傷口を広げるという悪循環に陥ります。

相場で勝ち続けるためには、自分のメンタルと戦う力も必要不可欠です。これは知識以上に重要であり、短期間で習得できるものではありません。

短期間で利益を出すことが難しい

投資に関して「1日で数万円稼げる」「月に数十万円の副収入」など、夢のような話が巷にはあふれています。

しかし、これらの情報の多くは誇張されたものであり、実際にはそう簡単に稼げるものではありません。

むしろ、初心者が最初に大きな損失を出すことの方が多いのが現実です。

FXや株取引は、長期的なスパンで見ると資産形成に役立つ可能性がありますが、短期的に見ればリスクの高い博打ともなり得ます。

初心者のうちは、相場の読みが外れる確率も高く、実際に利益を出すどころか、資金が減っていくことの方が圧倒的に多いです。

レバレッジの落とし穴

FX取引では、最大25倍のレバレッジをかけて取引ができます。

つまり、10万円の元手でも250万円分の取引が可能になるのです。

一見すると大きなチャンスに思えますが、それは同時にリスクも25倍に跳ね上がることを意味します。

たとえば、為替が1円動くだけでも、実際の損益は何万円単位で変動します。

知識や経験がない状態で高いレバレッジを使うことは、極めて危険な行為であり、ほんのわずかな変動で全資金を失ってしまう可能性もあります。

株取引でも、信用取引を使えば3倍までのレバレッジがかけられますが、元本を超える損失が出るリスクを考慮せずに使ってしまうのは非常に危険です。

自分のライフスタイルに合わない可能性

株やFXの取引は、リアルタイムでの判断が求められることが多く、日中に相場を常にチェックできる環境でなければ難しい場合があります。

仕事をしている人や家事・育児に忙しい人が、合間に取引をしてしまうと注意力が散漫になり、ミスを誘発する可能性があります。

また、夜間の為替変動や、朝の株式市場の寄付き前の情報チェックなど、日常生活への影響も小さくありません。

生活リズムや仕事の状況に応じて、無理のないスタイルでなければ継続も難しくなってしまいます。

詐欺や悪質な情報に騙されやすい

「絶対に儲かる」「この銘柄は100%上がる」などといった根拠のない投資話に乗ってしまう初心者は後を絶ちません。

SNSやYouTubeなど、身近なメディアで情報があふれている今、どの情報が正しいのか判断できる目を養うことが非常に重要です。

情報商材の購入や有料サロンへの加入を勧められることもありますが、初心者の段階で多額の金銭を投じるのは危険です。

まずは無料で得られる情報で十分に基礎を学ぶことから始めましょう。

実践の前に「準備」が絶対に必要

これまで述べてきたように、FXや株取引は知識・経験・冷静な判断力が不可欠です。

初心者がいきなり実践に飛び込むのではなく、まずは書籍や動画講座、無料の学習サイトで、基本的な仕組みやリスクについて理解することが最も大切です。

また、各証券会社が提供している「デモトレード」などを活用して、実際の取引に近い環境で練習しておくことも有効です。

少額から始められるサービスもありますので、最初はリスクを最小限に抑えた形で取り組むべきでしょう。

過去に起こった悲劇的な損失事例

FXや株取引を初心者がやらない方が良い理由と初心者にもできる投資まとめ

金融市場では、予測不能な暴落が突如として発生することがあります。

過去には多くの投資家が、そうした急変動に巻き込まれ、多額の損失を被ったケースが存在します。

初心者にとっても無縁ではなく、準備不足のまま市場に参加していたことが、被害を拡大させた要因となっています。

実際に起こった予測不能な事例をご紹介します。

リーマンショック(2008年)

2008年9月、米大手投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻を発端とする世界的金融危機が発生しました。

このとき、株式市場は歴史的な大暴落を記録し、日経平均株価もわずか数カ月で7,000円台まで下落。

特に信用取引を行っていた投資家たちは、担保割れによる追証を求められ、資産の大半を失いました。

安全と思われていた有名企業の株も大幅に下落し、リスク分散すら通用しない状況に陥ったのです。

スイスフランショック(2015年)

2015年1月、スイス国立銀行が突如としてユーロとの為替介入を停止し、スイスフランが対ユーロ・対円で急騰。為替市場は一時パニック状態となり、FX業者の中には倒産する企業も出ました。

このとき、レバレッジ取引でスイスフランを売っていたトレーダーは、強制ロスカットが間に合わず、数百万〜数千万円の損失を一夜にして負ったというケースが多数報告されています。

コロナショック(2020年)

新型コロナウイルスの世界的感染拡大に伴い、2020年2月末から3月にかけて株式市場は急落。

日経平均は3月中旬にかけて約30%の下落を記録し、米国株もサーキットブレーカー(市場の自動停止)が複数回発動される異常事態となりました。

多くの投資家が、相場の連日下落に耐えきれずに売却し、安値で損切りを強いられました。

このような予想外の感染症リスクが、どれだけ市場に打撃を与えるかを象徴する出来事です。

トルコリラショック(2018年)

2018年8月、トルコリラが1日で15%以上も暴落。

政治的な緊張や金融政策への不信感から、通貨への信用が大きく揺らぎました。

日本では「スワップポイント狙い」でトルコリラを保有していた個人投資家が多く、高金利に目を奪われた結果、大量の損失を出した人が続出しました。

為替変動リスクの大きさと、安易な金利目的の危険性を強く認識させられる事例です。

なぜ初心者は巻き込まれやすいのか?

これらの事例に共通しているのは、「予想外の事態は必ず起こる」という点です。

リスクヘッジをせず、レバレッジを過剰にかけていた初心者ほど、こうした暴落時に大打撃を受けています。

また、情報収集や分析力が不足していたために、事前の兆候を見逃し、対処が遅れたケースも多いです。

「相場に絶対はない」「自分だけは大丈夫という思い込みが最大のリスク」という教訓は、これまで多くの悲劇から繰り返し示されてきました。

だからこそ、取引を始める前に歴史を学び、自分のリスク許容度を見極めることが非常に重要なのです。

割と安全とされる、初心者におすすめの投資は?

NISA(ニーサ)ってなに?まったく知らない人のためのやさしい解説

FXや株の短期売買がハイリスクであることを考えると、初心者にとって「安全性が比較的高く、長期的な資産形成に向いた投資手段」を選ぶことが賢明です。

その中でも、現在注目されているのが新しいNISA(少額投資非課税制度)です。

しかし、それ以外にも初心者向けの選択肢はいくつか存在します。以下に代表的なものを紹介します。

1. NISA(新しい少額投資非課税制度)

NISAは、初心者にとって最も現実的かつ始めやすい投資制度の一つです。

2024年から新NISAがスタートし、年間360万円・合計1,800万円までの投資に対して運用益が非課税になります。

中でも「つみたて投資枠」は、長期・分散・積立に適した投資信託に限定されており、暴落リスクをある程度抑えた運用が可能です。

特別な銘柄選定の知識がなくても始められ、時間をかけてゆっくりと資産を増やすには非常に向いている制度です。

2. iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは老後資金を自分で積み立てていく私的年金制度です。

最大のメリットは、掛金が全額所得控除になるという強力な節税効果。運用益も非課税で、受取時にも一定の控除があります。

ただし、原則60歳まで引き出せないという制約があるため、資金をすぐに使う予定がある人には不向きです。

あくまで長期で老後資産を作ることを目的にするのであれば、非常に有力な選択肢です。

3. ロボアドバイザー投資(例:ウェルスナビ、THEOなど)

ロボアドバイザーとは、AIやアルゴリズムが投資判断を行ってくれる資産運用サービスです。

ユーザーは簡単な質問に答えるだけで、自分に合ったポートフォリオを作成してもらえます。

忙しい人や、金融知識に自信がない人にとっては、ほぼ全自動で管理されるこのサービスは非常に便利です。

手数料は1%前後とやや高めですが、心理的な負担が少ないという点で、初心者にも人気があります。

4. インデックスファンドの長期積立

「eMAXIS Slim」シリーズや「SBI・V・シリーズ」に代表される、低コストのインデックスファンドを使った積立投資は、初心者にとって非常に堅実な選択肢です。

S&P500や全世界株式など、広範な市場に分散投資できる商品を選べば、個別銘柄に依存せずにリスクを抑えることが可能です。

つみたてNISAやiDeCoの投資対象としてもよく採用されており、制度との相性も抜群です。

ドルコスト平均法で毎月自動積立を行うことで、相場のブレに左右されにくくなります。

5. 定期預金・個人向け国債

「投資」というよりも「資産保全」に近い選択肢ですが、元本割れを絶対に避けたい人にとっては、定期預金や個人向け国債(特に変動金利型10年物)は有力です。

利回りは非常に低いものの、安全性は極めて高く、預けておくだけで確実に資産を守ることができます。

余剰資金の一部をこうした商品に分散しておくことで、リスク管理の一助にもなります。

自分の目的とリスク許容度に合った選択を

NISAは制度の柔軟性と非課税メリットからして、非常に優れた初心者向けの投資方法ですが、目的(老後資金か短期積立か)、資産の流動性、リスク許容度などに応じて、他の選択肢も含めて比較検討することが重要です。

どの投資手段を選ぶにしても、焦らず、少額から始めて、学びながら実践していく姿勢が何よりも大切です。

時間を味方につけ、無理のない範囲で積立を続けていくことで、初心者でも着実に資産を増やすことが可能になります。

まずは学ぶことから始めよう

FXや株取引を初心者がやらない方が良い理由と初心者にもできる投資まとめ

投資は将来の資産形成のために非常に有効な手段である一方で、リスクと向き合う覚悟と準備がなければ、思わぬ損失を招く危険な行為にもなります。

特にFXや株取引のように値動きの激しい金融商品は、初心者にとって難易度が高く、感情に流された判断や不完全な知識のままでは成功をつかむことは難しいのが現実です。

だからこそ、まずは時間をかけて「学ぶこと」が重要です。

経済の基本的な仕組みや金融用語、リスク管理の考え方を理解し、自分自身の資産状況や性格に合った投資スタイルを見つけることが大切です。

また、いきなり大きな金額で始めるのではなく、デモトレードや少額投資で練習を積み、経験を積んでいく段階的なアプローチが最善と言えるでしょう。

焦らず、無理をせず、一歩ずつ着実に進むこと。

それが初心者が将来、堅実に資産を増やしていくための最初のステップなのです。

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