日々の生活の中で、意外と見落とされがちな「トイレの水道代」。
お風呂や洗濯に比べると地味な存在かもしれませんが、実は家族全員が毎日何度も使う場所だからこそ、積もり積もればかなりの水量になります。
この記事では、4人家族が1か月間に使うトイレの水の量を具体的にシミュレーションし、それによって発生する水道料金を徹底的に解説します。
どのくらいのコストがかかっているのかを知ることで、節水への意識も変わってくるはずです。
もくじ
トイレの水は意外と使う!使用量の目安を知ろう
トイレの水は、生活用水の中でも意外に使用頻度が高い項目です。
家庭内での水の使用割合は以下のようになっています。
- お風呂:40%前後
- トイレ:20%前後
- 炊事・洗い物:15%前後
- 洗濯:15%前後
- その他:10%前後
この数字からもわかる通り、トイレの水使用量は1位ではないものの、4人家族など人数が増えるほど、回数が増えやすく、全体に与える影響は少なくありません。
1人が1日にトイレを使う回数と水の使用量
トイレを1回流すのに使う水の量は、トイレの型によって大きく異なります。
代表的なタイプとその水量は以下の通りです。
- 旧式タイプ(1980~1990年代):1回あたり13L
- 節水型(2000年代):1回あたり8L
- 超節水型(2010年以降):1回あたり4~6L
1人が1日にトイレを使う回数は、平均で5~7回程度とされます。
ここでは仮に1人あたり1日6回、トイレを使うと仮定し、計算を進めてみましょう。
4人家族で1か月に使うトイレ水量の計算
1人あたりの1日使用量(超節水型トイレ・1回5Lの場合)
6回 × 5L = 30L/日
4人での1日トイレ使用量は、
30L × 4人 = 120L/日
1か月(30日)でのトイレ使用量:
120L × 30日 = 3,600L(=3.6㎥)
つまり、超節水型のトイレを使っている家庭では、1か月に約3.6㎥の水をトイレに使っている計算になります。
水道料金で換算すると、いくらかかる?
水道料金は自治体によって異なりますが、ここでは一般的な都市部の上下水道を合わせた料金単価1㎥あたり260円としてシミュレーションします。
3.6㎥ × 260円 = 約936円
したがって、4人家族が1か月にトイレで使用する水道代は約936円程度と見積もることができます。
旧式トイレだと、なんと倍以上の水道代に!
旧式タイプ(13L/回)を使っている家庭の場合で再計算してみましょう。
6回 × 13L = 78L/日/人
78L × 4人 = 312L/日
312L × 30日 = 9,360L(=9.36㎥)
水道料金換算:
9.36㎥ × 260円 = 約2,433円
このように、旧式トイレだと水道代が月2,000円を超えることもあるのです。
超節水型と比較すると、月あたり約1,500円以上の差が生まれます。
節水トイレへの交換はコスパ◎
もし自宅のトイレが旧式であれば、節水型トイレへの交換は大きな節約効果を生みます。
たとえば1年で18,000円前後の節水効果が期待でき、5年で9万円の水道代節約も夢ではありません。
節水トイレの中には、「大小切替レバー」や「自動洗浄機能」など無駄な水をカットする工夫がされています。
設備投資としてはやや高額ですが、長期的には十分に元が取れる可能性があります。
もっと節水するためにできること
トイレ本体の交換までは考えていないという方でも、以下のような工夫で節水は可能です。
- 「小」のレバーを積極的に使う
- タンク内に節水グッズ(ペットボトルや専用節水器具)を入れる
- 洗浄ボタンを長押ししない(自動で止まる場合を除く)
- 漏水がないかチェックする(音や水たまりで判断)
これらの方法で、年間数千円~1万円程度の節水につながることもあります。
トイレの水道代も立派な節約対象
日常生活で当たり前のように使っているトイレですが、4人家族で月に約900円~2,400円もの水道代がかかっている可能性があります。
古いトイレであればなおさら、見過ごせない額です。
一気に節水効果を出すなら、節水型トイレの導入がもっとも効果的ですが、ちょっとした工夫でも水道代を節約することができます。
生活の中に節水の意識を取り入れることが、将来的な光熱費節約への第一歩になります。
この記事のポイント
- 4人家族でトイレに使う水量は、月に約3.6㎥~9.3㎥
- 水道料金にすると約900円~2,400円
- 節水型トイレに交換すれば、年間で1万円以上の節約も可能
- 簡単な節水対策でも、効果は積み重なる
トイレの水を節約する方法
トイレの水を節約するのは、非常に難しいです。
毎日使うものですし、生理現象は止められるはずがありません。
ですが、特別な設備を導入しなくても日常のちょっとした工夫で十分に効果を上げることができます。
以下に代表的な節約術を紹介します。
今すぐできる対策も多いので、ぜひ今日から取り入れてみてください。
1. 「小」と「大」を正しく使い分ける
多くのトイレには「大」と「小」の流し分けレバーがあります。
水量には大きな差があり、「大」が約8Lに対して「小」は約5Lなど、数リットルの差が生まれます。
回数が多い家庭ほど、この使い分けが節約に直結します。
特に子どもがいる家庭では、正しい使い方を教えることで家族全体の水使用量を抑えることができます。
2. タンク内に節水グッズを入れる
古いトイレを使っている家庭では、タンクの中にペットボトルを入れて水量を調整する方法が有名です。
これは、タンクにたまる水の量を減らし、1回あたりの使用量を減らす簡易的な節水手段です。
ただし、あまりに水量を減らしすぎると詰まりや臭いの原因になるため、1回に500ml~1L程度の削減にとどめるのが安全です。
市販の節水グッズを使えば、さらに安心して使えます。
3. 節水型のトイレに交換する
設備投資として最も効果的なのが、超節水型トイレへのリフォームです。
最新モデルでは1回あたりの使用水量が約4.8L程度と、旧式の13L前後と比べて大幅な削減が可能です。
長期的には水道料金の節約額で本体価格を回収できるケースも多く、10年以上使う前提で考えれば非常にコスパの高い選択肢です。
4. 流す回数を意識して減らす
状況にもよりますが、同じタイミングで複数回トイレを使える場合(たとえば家族が続けて利用するなど)は、まとめて流すという方法もあります。
ただし衛生面を考慮し、実施できる範囲は限られます。
来客時や臭いが気になる時は避け、日常使いの中で無理のない範囲で取り入れるようにしましょう。
5. 不要な「洗浄」操作を避ける
一部のトイレでは、便座使用前後に自動で水が流れる仕様になっていることがあります。
この機能が不要と感じる場合には、設定を変更するかオフにすることで、年間数百回分の水の節約が可能になります。
特にウォシュレット付きトイレでは細かい設定変更が可能なので、マニュアルを確認してみましょう。
6. 漏水がないか定期的にチェックする
トイレのタンク内部のパッキンやボールタップが劣化していると、水が止まらずに少量ずつ流れ続ける「隠れ漏水」が発生することがあります。
これは気付きにくい上に、年間で数千円~1万円単位の水道代のムダにつながることも。
タンクから常に水音がする、便器内に水がちょろちょろ流れている場合は、すぐに修理を依頼するのが節約の近道です。
7. デュアルフラッシュタイプを導入する
デュアルフラッシュとは、「大」と「小」のレバーが明確に分かれているトイレや、ボタンで分けているタイプのこと。
特に高齢者や子どもでもわかりやすく、確実に「小」で流すことができるため、意識的な節水効果が得られます。
新築やリフォームの際には、このタイプを選ぶと長期的にメリットがあります。
8. 災害時の備えを兼ねた「再利用水」の活用
バケツにためた風呂の残り湯や、雨水タンクの水をトイレ洗浄に使う方法もあります。
多少手間はかかりますが、特に断水時や節水意識の高い家庭では定番の手段です。
清潔さを保つためにも、用を足した直後に流すのではなく、ある程度まとまった時に使うと衛生面でも安全です。
9. 子どもへの「節水教育」も大切
小さな子どもは、興味本位で何度も流したり、用がなくてもレバーを操作することがあります。
水の大切さを教え、正しいトイレの使い方を覚えさせることは、家庭内の節水意識を高めるだけでなく、子どもの成長にもつながる教育的な取り組みと言えます。
10. 節水と衛生のバランスを意識する
トイレの節水は大切ですが、やりすぎはかえって悪臭や配管トラブルを引き起こすこともあります。
節水を意識しながらも、衛生を損なわないバランスを取ることが最も重要です。
無理のない範囲でコツコツと取り組むことが、賢い節約への第一歩です。
トイレの水も「固定費」だと意識すれば、大きな節約に
トイレの水道代は、一見すると小さな出費に思えるかもしれません。
しかし、それが毎日、毎月、毎年と積み重なれば、決して無視できない固定費となります。
節水型トイレへの切り替えや、日々のちょっとした工夫でも、家計に与える影響は大きくなります。
特に4人以上の家族世帯では、その効果はより顕著です。
今回のシミュレーションを通して、トイレの水も立派な「節約対象」だという視点を持ってもらえるきっかけになれば幸いです。
水道代を見直す第一歩として、まずは「トイレ」から始めてみませんか?
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