光熱水費は、家計の中で見過ごされがちですが、じつはちょっとした工夫で大きな節約効果が期待できる項目です。
総務省の家計調査などの推計では、4人家族の月の光熱水費は平均で25,000~28,000円とされ、年間にすると30万円を超えることもあります。
「もう少し減らしたいけど、節約にはお金がかかるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。
この記事では、特別な道具や初期投資は一切不要、今すぐ実践できる暮らしの基本の節約術を10個ご紹介します。
今日から無理なく始められる方法ばかりなので、ぜひ自分の生活に取り入れて、楽しみながら家計をラクにしていきましょう。
最新の世帯人数別の光熱水費の平均(推計)は?
多くの専門家や研究機関では、光熱水費については概ねこのようなデーターを算出しているようです。
世帯人数 | 月間光熱水費(推計) |
---|---|
1人世帯 | 約10,000~12,000円 |
2人世帯 | 約15,000~18,000円 |
3人世帯 | 約20,000~23,000円 |
4人世帯 | 約25,000~28,000円 |
5人世帯 | 約30,000~33,000円 |
※上記は過去の家計調査データや各種統計をもとにした推計値であり、実際の金額は地域やライフスタイル、季節によって異なります。
注意点
- 地域差:寒冷地では暖房費が高くなる傾向があります。
- 季節変動:夏季や冬季は冷暖房の使用により電気代が増加します。
- 生活スタイル:在宅時間の長さや家電の使用頻度によっても変動します。
より正確な情報を得るためには、総務省統計局の「家計調査」や各地方自治体が公表している統計資料を参照することをおすすめします。
参考元の概要
総務省統計局「家計調査」
公開元:総務省統計局
調査内容:二人以上の世帯の収入・支出・貯蓄・負債の状況
直近の公表:2024年分の年報(2025年春公開)、最新の月報は2025年2~3月分が発表済み
家計調査ページ → https://www.stat.go.jp/data/kakei/
初心者&お金ゼロでできる暮らしの節約術 10選
1. 冷暖房の設定温度を見直す(夏28℃、冬20℃目安)
冷暖房は家庭の電気代の中で大きな割合を占めるため、設定温度を少し工夫するだけで節約効果が期待できます。
夏場は冷房を28℃に設定することで、冷やしすぎによる無駄な電力消費を防ぎます。冬場は暖房を20℃に設定し、過剰な暖めを避けることで電気代やガス代を抑えられます。
特に注意したいのは、外出時や就寝時です。外出中は冷暖房を完全にオフにするか、タイマーを設定して必要な時間帯のみ稼働させましょう。就寝時は体を温める寝具や服装を工夫し、暖房に頼りすぎないのがコツです。
また、設定温度を見直すだけでなく、扇風機やサーキュレーターを併用すると、室内の空気が循環し、少ない冷暖房パワーでも快適さを保てます。
2. 使わない部屋の電気・冷暖房・家電の主電源をこまめにオフにする
電気代・ガス代の節約の基本は「使わないものを切る」こと。
使っていない部屋の電気や冷暖房をつけっぱなしにしていると、驚くほどの無駄が発生します。小さなことですが、部屋を出るときに電気を消し、エアコンの電源をオフにする習慣を家族全員で意識することが重要です。
また、使わない家電の主電源をオフにすることも有効です。待機電力(電源を入れていなくてもコンセントを挿しているだけで消費する電力)は、家庭の電気代の約5〜10%を占めるといわれています。
テレビや電子レンジ、ゲーム機、パソコン、プリンターなど、使用頻度が低いものは主電源を切ったり、コンセントを抜いたりしましょう。電源タップを使うと、一括でオフにできて便利です。
3. 冷蔵庫の開閉を素早く済ませる
冷蔵庫は24時間365日稼働している家電のため、電気代の削減余地が大きい部分です。冷蔵庫のドアを長時間開けっぱなしにすると、冷気が逃げて内部の温度が上がり、余分な電力で再度冷やさなくてはなりません。開閉時間を短くすることで、この無駄な電力消費を抑えることができます。
例えば、料理中に何度もドアを開閉したり、「何を食べようかな」と冷蔵庫の前で悩む習慣は見直しましょう。事前に必要なものを決めてからドアを開け、すぐ取り出せるように冷蔵庫内を整理整頓しておくと、自然と開閉時間が短くなります。日常のちょっとした行動の改善が、年間を通じて大きな節約につながります。
4. 浴室の残り湯を洗濯に再利用する
浴室の残り湯を洗濯に使うことで、水道代の節約効果が期待できます。特に家族が多い家庭ではお風呂1回で200リットル以上の水を使うため、そのまま流してしまうのは非常にもったいないです。
洗濯機の給水ホースを使って浴槽から水を引く方法が一般的ですが、バケツを使って手作業で移すのも十分効果的です。残り湯を使うときは、すすぎではなく「洗い」の工程だけに使用するのが基本です。すすぎは清潔な水を使うことで衣類の臭いや汚れ残りを防げます。
さらに、浴槽にお風呂のフタをかけておけば、お湯が冷めにくくなるため、洗濯機に負担をかけずに済みます。小さな工夫で水道代と電気代をダブルで節約できる優れた方法です。
5. シャワーの使用時間を短くする
シャワーは1分間でおよそ12リットルの水を使うといわれており、家族全員が数分間短縮するだけで、水道代とガス代(給湯費用)の節約に直結します。
例えば、普段10分間シャワーを使っている場合、8分に短縮するだけで1回につき24リットルの節水になります。家族4人なら1日あたり約100リットル、1か月で約3,000リットルもの節約になります。
方法としては、髪や体を洗う間はシャワーを止める「こまめ止め」や、先に浴槽で温まってから仕上げのシャワーだけを使うなどが挙げられます。家族全員で取り組めば、年間で数千円以上の水道・ガス代の削減も夢ではありません。
6. お風呂のフタを閉めて湯温を保つ
お風呂のフタを閉めるだけで、湯温の低下を防ぎ、追い焚きや追加のお湯張りを減らせます。浴槽の湯は、ふたをせずに放置すると1時間あたり2~3℃も下がることがあり、家族の入浴時間がずれるとそのたびにお湯を足したり追い焚きしたりする羽目になります。
特に冬場は冷えやすく、追い焚きによるガス代・電気代がかさみやすいため、ふたを閉めておくだけでその負担を軽減できます。また、断熱性の高いフタやバスタブ用の保温シートを使うとさらに効果的ですが、まずは今あるフタを閉める習慣をつけるだけで十分です。
家族全員で「最後に入った人がふたを閉める」というルールを決めておくと、よりスムーズに節約できます。
7. 給湯温度を見直す(必要以上に高温にしない)
給湯器の設定温度は、一度見直す価値があります。家庭では冬場に42℃、夏場には38℃程度が目安ですが、初期設定のまま高温のまま使っている家庭も少なくありません。必要以上に熱いお湯を使うと、無駄にガスや電気を消費し、結果的に光熱費が増えてしまいます。
特にシャワーやお風呂、台所の湯沸かしで「熱すぎる」と感じて水で薄めている場合、それは設定温度が高すぎるサインです。給湯器本体のリモコンで簡単に調整できるので、家族の生活スタイルに合わせて適切な温度に設定しましょう。
また、洗い物でお湯を使う際も、まずは水で試してみてから必要に応じてお湯に切り替えると、より節約効果が高まります。
8. 郵便物やチラシのペーパーレス化(DM停止・電子明細利用)
毎日の郵便受けに入ってくるダイレクトメール(DM)や紙の請求書、チラシは、単なるゴミになるだけでなく、収納用品の費用や片付けの手間まで増やします。また、紙の明細には発行手数料がかかる場合もあるため、電子明細やペーパーレスサービスを利用するだけで節約になる場合があります。
クレジットカード、銀行、スマホ料金などの明細は、ウェブやアプリで確認できるよう設定できます。また、不要なDMは送付元に連絡して停止手続きをすればOK。これにより、書類整理の手間が減り、封筒や書類用のファイルを買うコストまで減らせます。
さらに環境にも優しい取り組みなので、家族全員で「できるところからペーパーレス化」を進めるのがおすすめです。
9. ドアや窓の開閉を減らして室温を保つ
冬に暖房を入れている部屋、夏に冷房を入れている部屋のドアや窓を頻繁に開け閉めしてしまうと、室内の温度が逃げ、エアコンや暖房機器に余計な負荷がかかります。その結果、消費電力が増え、光熱費が上がってしまいます。
例えば、家族がトイレに行くたびにドアを開けっぱなしにしたり、ベランダに出入りするたびに窓を開けっ放しにしたりするのは避けましょう。必要最低限の開閉で済ませるよう心がけ、外気の侵入を防ぐことで、室温の維持がしやすくなります。
小さなことの積み重ねですが、毎日続けることで年間の光熱費は確実に下がります。家族全員で「ドア・窓の開閉を減らそう」というルールを共有しておくと効果的です。
10. 炊飯器の保温をやめる・ごはんは冷凍保存する
炊飯器の保温機能は便利ですが、実は意外と電気を消費します。6時間以上の保温は電気代がかさみ、長時間保温したごはんは風味も落ちやすくなります。そのため、炊き上がったごはんは、食事後すぐにラップや保存容器に移して冷凍するのがおすすめです。
冷凍したごはんは電子レンジで温め直すだけで、炊き立てに近いおいしさが復活します。また、冷凍ごはんを常備することで、外食やコンビニ弁当の頻度を減らすこともでき、食費の節約にもつながります。
この習慣を取り入れると、電気代の削減はもちろん、食材ロスの防止や時短にもなり、一石三鳥の効果があります。
小さな積み重ねが、年間数万円の節約に!
光熱水費の節約は、派手さはなくても確実に家計に効く「じわじわ系」の節約術です。
今回ご紹介した10の方法は、どれもお金をかけずに今すぐ取り組めるものばかり。
平均額を参考にしつつ、「自分の家に合った工夫」を見つけて続けることが、節約成功の秘訣です。
無理なく、楽しみながら。家族みんなで挑戦することで、「節約=がまん」ではなく「賢い暮らし」に変わっていきます。
ぜひ今日から、基本の節約術を実践し、年間数万円の節約につなげてみてくださいね。
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