毎日使う洗濯機。何気なくスイッチを押しているそのひと手間が、実は思っている以上に光熱費や水道代に影響していることをご存じでしょうか?
洗濯機は便利で欠かせない家電ですが、使い方によってはムダが生まれやすいのも事実です。
逆に言えば、少しの工夫や見直しだけで、年間数千円単位の節約が叶う可能性もあります。
本記事では、家庭で今すぐ実践できる洗濯機の節約術を10個ご紹介します。
洗い方・洗剤・時間帯・メンテナンスまで、幅広い角度から「知らなきゃ損する節約のコツ」を網羅しています。
家計を見直したい方、毎日の洗濯にかかるコストを抑えたい方はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
- 1 洗濯機を効率よく使う節約術10選
- 1.1 1. 洗濯は「まとめ洗い」が基本!1日1回より2日に1回
- 1.2 2. お風呂の残り湯を洗濯に利用する方法と注意点
- 1.3 3. 洗剤の使いすぎに注意!適量で洗浄力は十分
- 1.4 4. 洗濯機の風乾燥や脱水強化で乾燥時間を短縮
- 1.5 5. ドラム式と縦型で異なる電力効率の違いを理解する
- 1.6 6. 洗濯時間を夜間電力時間に設定して節約
- 1.7 7. すすぎ1回でOKの洗剤を選んで、水道代・電気代をカット
- 1.8 8. 洗濯ネットの使い方を工夫して衣類の劣化を防ぐ
- 1.9 9. 「洗濯機いっぱいまで溜める」は逆効果なこともある
- 1.10 10. 定期的に洗濯槽クリーナーで洗浄し、運転効率を保つ
- 1.11 洗濯機の節約術を実践した場合の年間節約額まとめ
- 2 洗濯機の節約術は、家計と暮らしに直結する
洗濯機を効率よく使う節約術10選
1. 洗濯は「まとめ洗い」が基本!1日1回より2日に1回
毎日の洗濯は生活のリズムとして当たり前になっているご家庭が多いですが、実はこの「毎日洗う」という習慣こそが、見えにくい光熱費のムダを生んでいます。
洗濯機を1回運転するたびに、水道代・電気代が発生します。
1回分の洗濯物が少ない場合でも、フル稼働と同じように水や電力を使ってしまうため、コスト効率が悪くなりがちです。
そこで効果的なのが、2日に1回の「まとめ洗い」。
洗濯物の量が洗濯機の適正容量(7〜8割)に達するまで待ってから洗うことで、1回あたりの効率を最大限に高めることができます。
結果として、洗濯の回数が減り、電気代や水道代を年間で大きく抑えることが可能になります。
また、まとめて洗うことで洗濯の作業時間も短縮でき、家事の負担を軽くするメリットもあります。
小さな子どもがいる家庭や仕事で忙しい共働き世帯でも、計画的にまとめ洗いを取り入れることで、時間とお金の両方を上手に節約することができるのです。
2. お風呂の残り湯を洗濯に利用する方法と注意点
節水の定番として知られているのが、お風呂の残り湯を洗濯に再利用する方法です。
1回の入浴で使用される水の量はおよそ180〜200リットル。
これをそのまま捨てるのではなく、洗濯の「洗い」工程に活用することで、大幅な水道代の削減につながります。
特に洗濯機に「風呂水ポンプ機能」が搭載されている機種であれば、ホースを浴槽に入れてボタン一つで吸水できるため、手間も最小限。
もしポンプがない場合でも、バケツやポリタンクを使って手動で運ぶことも可能です。
ただし、残り湯を使う際にはいくつか注意点があります。
まず、入浴後すぐの清潔な残り湯を使うこと。
時間が経つと菌が繁殖しやすくなり、衣類にニオイや汚れが残る原因になります。
また、「すすぎ」には水道水を使うのが基本。残り湯ですすぐと、雑菌が衣類に残りやすくなるため、洗いとすすぎで使い分けるのがコツです。
浴槽の掃除をこまめに行い、ホースやポンプの衛生管理も怠らないようにすることで、安全かつ効率的にお風呂の残り湯を節約に活用することができます。
うまく取り入れれば、月間で数百円、年間で数千円の節水効果も期待できる優秀な節約術です。
3. 洗剤の使いすぎに注意!適量で洗浄力は十分
「たくさん入れたほうが汚れがよく落ちそう」と思って、つい洗剤を多めに入れてしまう人は少なくありません。
しかしこれは逆効果で、洗剤の使いすぎは洗濯物に残留成分が付着し、ニオイや肌荒れの原因になるだけでなく、すすぎの水量や時間も増えるため節約とは真逆の結果になってしまいます。
洗濯機や洗剤のパッケージには、衣類の量や水量に応じた適正な使用量が記載されています。
この表示通りの量を守るだけで、無駄な洗剤消費がなくなり、水道代・洗剤代・電気代のすべてを抑えることができます。
さらに、最近の洗剤は少量でも高い洗浄力を持つ濃縮タイプが主流です。
従来の感覚で「多めに入れないと落ちない」と思い込まず、製品の特性を活かした使い方をすることが、節約と衣類の長持ちにもつながります。
また、洗剤の適量化は排水に含まれる化学物質の削減にもつながるため、環境への負担を減らすという意味でも意味のある行動です。
節約とエコ、両方を叶える簡単で効果的なポイントと言えるでしょう。
4. 洗濯機の風乾燥や脱水強化で乾燥時間を短縮
洗濯物を乾かす際、室内干しや浴室乾燥、衣類乾燥機を併用している家庭も多いですが、洗濯機の「風乾燥」や「強め脱水」機能を活用するだけで、その後の乾燥工程にかかる時間とエネルギーを大きく削減することができます。
特に雨の日や冬場など、自然乾燥に時間がかかる時期には、洗濯機の風乾燥を数分だけプラスするだけでも効果的です。
衣類の水分をあらかじめ飛ばしておくことで、室内干しの湿気対策にもなります。
また、通常の脱水モードを「強脱水」や「延長脱水」に設定するだけでも、水分残りがぐっと減ります。
乾燥機を使っている場合は、乾燥時間が短縮される分、電気代も削減できるため、トータルで見ればかなり効率的です。
ただし、衣類の種類によっては脱水が強すぎるとシワや傷みの原因になることもあるため、デリケート素材には通常モードを使うなど、衣類に応じた設定の使い分けも大切です。
ちょっとした設定の工夫で、洗濯から乾燥までの全体コストを抑えることができます。
5. ドラム式と縦型で異なる電力効率の違いを理解する
洗濯機を選ぶ際、ドラム式と縦型のどちらが節約に向いているのか迷う方も多いでしょう。
それぞれに特徴があり、ライフスタイルに合った使い方をすることが、結果として最も効率の良い節約になります。
ドラム式洗濯機は、少ない水でたたき洗いを行うため水道代を大幅に抑えることができるのが魅力です。
乾燥機能の性能も高く、洗濯から乾燥まで一貫して効率的に行えるため、共働き家庭や時間を節約したい人には非常に向いています。
ただし、本体価格が高めで、乾燥機能を頻繁に使うと電気代がかさむ場合もあります。
一方、縦型洗濯機は洗浄力が高く、本体価格が安いという利点があります。
すすぎがしっかりできるので、泥汚れや皮脂汚れに強い反面、使用する水の量は多くなりがちです。乾燥機能がないモデルも多いため、自然乾燥が前提の家庭向きです。
つまり、水道代を重視するならドラム式、導入コストや洗浄力を重視するなら縦型。
それぞれの特徴を理解したうえで、自分の生活パターンに合うタイプを選ぶことが、長い目で見た節約に直結します。
6. 洗濯時間を夜間電力時間に設定して節約
電気代の節約で意外と見落とされがちなのが「洗濯をする時間帯」です。
特に、時間帯別の電気料金プラン(夜間割引など)を利用しているご家庭では、夜間の電力をうまく活用することで、洗濯1回あたりの電気代を大幅に下げることができます。
たとえば「午後11時〜翌朝7時」が割安な時間帯であれば、その時間内に洗濯機を運転させるだけで、昼間と比べて電気代が約30〜50%も安くなるケースもあります。
深夜の洗濯音が気になる場合でも、静音設計の洗濯機を使う、洗濯開始タイマーを活用するなどの方法で対応可能です。
また、夜間に洗濯しておけば、朝には干すだけの状態になっているため、時間の有効活用という点でもメリットが大きいです。
特に乾燥機能を併用する場合は、電力コストが高くなりがちな分、夜間の割安時間帯を利用する効果は絶大です。
契約中の電力プランを一度見直し、夜間料金の有無や時間帯を確認してみることで、洗濯機の使用時間を少しずらすだけで節約が実現できます。
7. すすぎ1回でOKの洗剤を選んで、水道代・電気代をカット
洗濯において意外に大きなコストになっているのが、「すすぎ」工程にかかる水と電力です。
通常の洗濯では、洗い→すすぎ2回→脱水という流れが一般的ですが、近年ではすすぎが1回で済む高性能洗剤が数多く登場しており、これを上手に活用することで大幅な節水・節電が可能になります。
すすぎ1回タイプの洗剤は、泡立ちや成分残留が少ないように設計されているため、2回目のすすぎが不要です。
水道使用量が約20〜40リットル、電力が数十Wh分削減できることになり、家計にも環境にもやさしい選択です。
さらに、すすぎ1回タイプの洗剤は時短にもなります。
洗濯1回あたりの時間が10〜15分短縮されることもあるため、朝の忙しい時間帯にもぴったり。
節約しながら家事効率もアップするという、一石二鳥の節約術です。
8. 洗濯ネットの使い方を工夫して衣類の劣化を防ぐ
洗濯ネットは「デリケートな衣類のためだけのもの」と思われがちですが、実は日常的に使うことで衣類の寿命を延ばし、間接的に節約につながる便利アイテムです。
洗濯中の衣類は水の中で激しく動き、摩擦や絡まりによって繊維が傷みやすくなります。
ネットに入れておくだけで、型崩れや毛羽立ち、擦れによる色落ちなどを防ぐことができ、衣類が長持ちします。
これにより買い替えサイクルが延び、衣類代の節約につながるのです。
さらに、ネットにまとめて入れることで小物類の紛失も防げるため、靴下や下着などの片方行方不明問題も解消されます。
複数のネットを使い分け、Tシャツ用、下着用など分類して使うと、取り出すときの手間も減って一石三鳥。
洗濯ネットは100円ショップなどでも手軽に手に入るアイテムです。
日々の洗濯にネットを取り入れるだけで、衣類も家計も守れる賢い節約術と言えるでしょう。
9. 「洗濯機いっぱいまで溜める」は逆効果なこともある
洗濯の回数を減らして節約したいと考えたとき、「なるべく洗濯機いっぱいに詰めて洗ったほうが得」と思ってしまいがちですが、これは必ずしも正解ではありません。
洗濯機の容量を超えて洗濯物を詰め込むと、水や洗剤が全体に行き渡らず、汚れ落ちが悪くなる原因になります。
また、洗濯槽の中で衣類が自由に動けなくなることで、摩擦が増えて繊維が傷んだり、脱水時に偏りが生じて振動やエラーを起こすことも。
結果として再洗いや追加のすすぎが必要になり、かえって水道代・電気代・時間すべてが無駄になってしまいます。
節約のためには「詰めすぎない」ことも重要です。洗濯機の適正容量は、洗濯槽の7~8割程度。
手で軽く押して衣類が動くくらいの余裕を持たせることで、洗浄効率も高まり、衣類の傷みも抑えられます。適正量を守って、1回の洗濯で最大の効果を得ることが、賢い節約につながります。
10. 定期的に洗濯槽クリーナーで洗浄し、運転効率を保つ
見えないけれど確実に存在しているのが、洗濯槽の内部に溜まる汚れやカビです。
日々の洗濯で洗剤のカスや皮脂汚れが少しずつ蓄積していき、これが悪臭や黒カビの原因になるだけでなく、洗濯機の運転効率や排水機能にまで悪影響を与えることがあります。
汚れが蓄積したまま放置していると、モーターに余計な負荷がかかって電力消費が増えるだけでなく、衣類への汚れ戻りや雑菌の再付着といったトラブルも。
そうならないためには、月に1回程度、洗濯槽クリーナーで内部をしっかり洗浄する習慣が重要です。
市販の専用クリーナーを使えば、スイッチひとつで簡単に洗浄できるため、手間はほとんどかかりません。
洗濯機の取扱説明書に沿ってクリーニングモードを活用するのもおすすめです。
清潔な洗濯環境を保つことは、電気代の節約だけでなく、衣類の衛生や肌トラブルの予防にもつながる大切なメンテナンスです。
洗濯機の節約術を実践した場合の年間節約額まとめ
毎日の洗濯の中にあるちょっとした工夫が、年間では意外なほどの節約につながります。
以下の表では、洗濯機の節約術10項目を実践した場合に、年間でどの程度の費用削減が期待できるのかを一覧にしています。
ご家庭の洗濯頻度やライフスタイルに合わせて、できる部分からぜひ取り入れてみてください。
節約術 | 節約対象 | 年間の目安節約額 |
---|---|---|
まとめ洗いで洗濯回数を減らす | 電気代・水道代 | 約6,300円 |
お風呂の残り湯を活用 | 水道代 | 約1,350円 |
洗剤の適量使用 | 洗剤代・すすぎ回数削減 | 約600円 |
風乾燥・脱水強化で乾燥時間短縮 | 電気代 | 約500円 |
夜間電力の活用 | 電気代 | 約1,000円 |
すすぎ1回洗剤の活用 | 水道代・電気代 | 約1,000円 |
洗濯ネットで衣類を長持ちさせる | 被服費 | 約1,500円 |
適正容量で洗濯して再洗いを防ぐ | 水道代・電気代 | 約1,000円 |
洗濯槽クリーナーで効率維持 | 電気代・故障予防 | 約500円 |
その他の細かな工夫(時短・開閉削減など) | 電気代・水道代 | 約1,000円 |
年間合計(目安) | 約12,000円〜25,000円 |
洗濯機の節約術は、家計と暮らしに直結する
洗濯は日常的な家事のひとつですが、その分、使い方の差が家計に表れやすい分野でもあります。
水や電気、洗剤、時間。どれも少しずつの積み重ねですが、節約を意識して工夫を加えるだけで、目に見える成果が出やすいのが洗濯機の特徴です。
洗濯物を溜めてまとめて洗う、お風呂の残り湯を活用する、洗剤を適量使う、脱水や乾燥の方法を見直す…。
今回紹介した10の節約術の中から、ひとつでも取り入れられそうなものがあれば、今日からでも実践してみてください。
暮らしの中の小さな見直しが、月々の支出の見直しにつながり、結果として生活全体にゆとりをもたらします。
洗濯機を上手に使って、ムダを減らし、効率的で心地よい家事時間をつくっていきましょう。