「よし、今年こそは家計簿をつけてお金を貯めよう!」と意気込んで始めたものの、1週間で挫折してしまった経験はありませんか?
実は、多くの初心者が似たような“つまずきポイント”で家計簿をやめてしまっています。
家計簿は正しく使えば、家計の見直しや節約、貯金への大きな第一歩になりますが、やり方を間違えると“続かないストレス”になりかねません。
この記事では、家計簿初心者が陥りがちなNG例と、それを回避するための具体的な解決策を丁寧に解説します。
もくじ
よくある家計簿NG例とその解決策
家計簿を始めるときにありがちなのが、「完璧に記録しよう」という気合いが空回りしてしまうパターンです。
レシートに書かれている品目を1つひとつ転記したり、1円単位まで計算してノートに記録しようとしたりすると、思った以上に時間も手間もかかります。
家計簿をつける目的は、「支出の傾向を把握し、ムダを見つけること」。にもかかわらず、細部まで記録することが目的になってしまうと、本来の家計管理から離れてしまいます。
結果的に、「時間がかかるから続かない」「休日のたびに家計簿に追われてストレスになる」など、負担感が先立って挫折することになりがちです。
解決策:まずは「ざっくり項目別」で十分
最初は「食費」「日用品」「趣味・娯楽」「交通費」などの大まかなカテゴリで合計額だけを記録するだけでOKです。
たとえば、「今週は食費が7,000円だった」と把握できるだけでも、家計を見直すきっかけになります。
慣れてきて「もっと知りたい」と思ったときに、段階的に分類を増やせば十分です。
最初は無理せず、1週間に一度だけ合計金額を見る習慣から始めてみましょう。
NG例2:理想のフォーマットにこだわりすぎる
SNSや動画サイトでは、美しい手書き家計簿や、色分けされたExcelの表、グラフ付きの予算シートなど、いかにも“家計管理が上手な人”の投稿が溢れています。
それを見て、「自分もこんな風にしたい!」と始めてみるものの、実際にやってみると時間がかかる、レイアウトが崩れてストレス…といった結果に。
完璧に整った見た目を目指してしまうと、内容よりも形式にこだわるようになり、家計簿自体が目的からずれてしまいます。
また、書くこと自体が苦手な人にとっては、そもそも続けるのが難しくなってしまいます。
解決策:自分にとって「簡単で気楽」な方法を選ぶ
家計簿は「続けてこそ意味がある」ものです。時間がなくても簡単に記録できる方法が、自分に合った正解だと割り切ることが大切です。
たとえば、市販の家計簿を使わずに100均のノートを使う、スマホのメモ帳に手打ちする、レシートを週に1回まとめて写真に撮って保存する、といった簡易的な方法でも、家計簿としての役割は果たせます。
人と比較せず、「自分にとってラクなやり方」に徹することが、習慣化への第一歩です。
NG例3:記録ばかりで「振り返り」をしていない
「とりあえず毎日つけているけど、なんとなく惰性で記録している」
これもよくある家計簿の落とし穴です。
記録をすることが目的になってしまい、「記録を通じて何を改善するか?」が意識されていないと、貴重な情報を活かしきれません。
せっかく丁寧に記録していても、「何にお金を使っているか」「無駄はないか」といった分析や気づきがなければ、家計簿をつける労力がもったいない状態になります。
解決策:週に1回、ざっくりでも見返す習慣を
たとえば、日曜日に10分だけ「今週の支出一覧を見て、気になった項目に印をつける」だけでも大きな効果があります。
「今週は外食が多かったな」「ついコンビニに寄りすぎていたかも」といった小さな気づきが、来週以降の行動に変化をもたらします。
振り返りに使う時間は長くなくて大丈夫です。要点だけざっと確認する習慣を作ることで、記録が“家計改善のツール”として活きてきます。
NG例4:記録し忘れて罪悪感が募る
家計簿を毎日つけようと決意していたのに、3日つけ忘れた。レシートを捨ててしまって記録できなかった…。
そんなときに「もうダメだ」「続かない私は向いてない」と思って家計簿をやめてしまうケースは非常に多いです。
継続しようとすればするほど、少しの抜けやミスに対して「自分はダメだ」と自己否定してしまう。これが挫折の連鎖のきっかけになります。
解決策:完璧を目指さず、記録が“抜けてもOK”と割り切る
家計簿は、“8割記録できれば成功”くらいの気持ちで取り組むのがちょうどいいです。
もし3日分抜けてしまったら、その分をざっくり「コンビニとスーパーで3,000円くらい」と推測で書いても問題ありません。
もしくは、何も書かずにスルーしてもOKです。
「使ったことを意識する」だけでも家計管理は前進しています。
毎日でなくても、週1回でも続けることのほうがずっと大切です。
NG例5:自分に合わないアプリやフォーマットを無理に使う
最近では家計簿アプリも多く登場していますが、人によっては「項目が多すぎて混乱する」「操作が複雑でわかりにくい」といった理由で挫折してしまうことがあります。
同様に、手書きの家計簿でもテンプレートが細かすぎると、それだけでやる気が削がれてしまう人も多いです。
せっかく始めたのに、「自分には合わなかったから」と言って家計管理自体をやめてしまうのは非常にもったいないことです。
解決策:合わなければ即変更!柔軟さが長続きの秘訣
アプリにこだわらず、「紙に書くほうが向いているかも」と思ったら、すぐにアナログに戻しても構いません。
逆に、手書きが面倒だと感じたら、最もシンプルな家計簿アプリに乗り換えてもOKです。
方法に正解はありません。自分が「これなら続けられそう」と思えるやり方を、その都度選び直していくことで、無理なく習慣化できます。
家計簿を長く続けるためのコツ
家計簿は「つけ始めること」よりも、「続けること」のほうがずっと難しいと言われています。
多くの人が3日坊主で挫折するのは、やる気や根気がないからではなく、“続ける仕組み”がうまく整っていないからです。
ここでは、家計簿を無理なく、自然と続けられるようになるための具体的なコツを6つの視点から紹介します。
1. 目的をはっきりさせておく
まず大前提として、「何のために家計簿をつけるのか?」という目的を自分なりに明確にしておくことが大切です。
漠然と「お金の管理をしたい」だけでは、途中でモチベーションが下がってしまいます。
たとえば、
・月に3万円貯金したい
・旅行資金を半年で10万円貯めたい
・無駄な出費(特にコンビニ)を減らしたい
・夫婦の家計を見える化したい
といった、具体的で現実的な目標を持っていれば、記録する意義がはっきりし、継続の原動力になります。
2. 「完璧主義」をやめる
多くの人が途中で挫折する原因は、「1円単位まできちんと記録しなきゃ」「1日でも忘れたらダメ」といった“完璧を目指しすぎること”にあります。
家計簿は、抜けや漏れがあっても問題ありません。大切なのは、使ったお金を“意識する”習慣を作ることです。
・3日分まとめて書いてもOK
・レシートがなければざっくり金額をメモ
・疲れた日は書かない日があってもいい
そうした“ゆるさ”を許容することで、家計簿は継続できるツールへと変わっていきます。
3. 記録方法を「自分に合ったスタイル」にする
手書き派、アプリ派、エクセル派、人によって続けやすい記録方法は異なります。
周りの人やSNSの家計簿に影響されて、自分に合わない方法を無理に取り入れると、かえって続きません。
・ノートにざっくり記録する
・レシートを貼るだけの家計簿を使う
・スマホアプリに連携だけして自動で管理
・1ヶ月に1回だけ、クレカ明細を見てメモする
など、自分の性格や生活リズムに合う方法を探してみましょう。
「気がついたら続いていた」くらいが理想です。
4. 曜日・時間を「家計簿タイム」に固定する
習慣化には「時間と行動をセットにすること」が効果的です。
毎日・毎週決まった時間に家計簿をつけることで、生活の一部として定着しやすくなります。
おすすめのタイミングは以下のようなものがあります。
・夜寝る前の5分間
・日曜の夜に1週間分をまとめてつける
・給料日やカード引き落とし後に残高チェック
タイマーアプリやカレンダーリマインダーなどを活用して、自然と手が伸びる仕組みを作ると◎です。
5. 振り返りは「簡単に・楽しく」
せっかく記録しても、振り返りが面倒だと続かなくなります。
分析が苦手な人は、見るだけ・マーカーを引くだけ・一言メモするだけでも十分です。
・今月は外食が多かった
・通信費の見直しが必要かも
・意外と趣味にお金を使っていた
といった“気づき”を月に1回でも得ることができれば、家計簿の目的は達成できています。
カラーペンやシール、簡単なグラフなどで、振り返りを「楽しく」する工夫も効果的です。
6. 家族やパートナーと共有する
ひとりで続けるのが難しい人は、家族やパートナーと一緒に家計簿をつけるのもおすすめです。
お互いの支出を共有することで、無理のない節約意識が生まれたり、励まし合いながら続けられるメリットがあります。
共通の家計アプリ(例:OsidOri)や共有ノートなどを使えば、手軽に情報を確認し合えるので、家計管理の“見える化”にもつながります。
続かない原因は「やり方」にあるだけ
家計簿が続かないのは、性格や根気の問題ではありません。ほとんどの場合、“自分に合っていないやり方”を無理に続けているだけです。
自分がストレスなく続けられる家計簿スタイルを見つけることで、お金の流れは自然と整い始めます。
完璧を求めすぎず、「ざっくり管理でもOK」という気持ちで、ぜひもう一度家計簿にチャレンジしてみてください。