小学生にスマホを持たせたいと考えたとき、多くの保護者がまず悩むのが「家にある古いスマホを再利用するべきか、それとも新しく買うべきか」という点です。
古いスマホなら初期費用がかからず経済的に思える一方で、バッテリーの寿命やセキュリティ面の不安、操作性の問題など、見落としがちなリスクも少なくありません。
一方で、新しいスマホは高額なイメージがあるものの、最近は返却前提の購入プランやキャンペーンを利用すれば、初期費用を抑えて持たせることも可能です。
さらに、管理機能や見守り機能の面でも親としては安心感があり、子どもにとっても使いやすい仕様になっています。
今回は、小学生の子どもにスマホを持たせるにあたって、「古いスマホ」と「新しいスマホ」のそれぞれのメリット・デメリットを比較しながら、コスト面・安全面・実用性などあらゆる視点からどちらが得かを詳しく解説します。
もくじ
古いスマホを持たせる?新しいスマホを買う?まずはメリット・デメリットを整理
小学生の子どもにスマートフォンを持たせることを検討する際、多くの保護者が「古いスマホを再利用すれば安上がりなのでは?」と考えがちです。
確かに、手元に使わなくなった端末があれば、それを活用するのは一見合理的な方法のように思えます。
しかし、古いスマホを使うことには予想以上のデメリットが潜んでいます。
一方で、新しいスマホを購入し、新規契約やキャンペーンを活用することで、実は数年間の運用コストがほとんどかからないケースも少なくありません。
このような仕組みをうまく活用すれば、古いスマホよりも新しいスマホの方が総合的に見て“得”になることがあるのです。
古いスマホを持たせる場合の注意点とコスト
手元にある古いスマホを活用すれば、端末の購入費用をかけずに子どもにスマホを持たせられるため、「とりあえず持たせたい」というご家庭にとっては、非常に手軽な選択肢です。
しかし、実際に子どもが日常的に使う端末として見たときには、多くの落とし穴が存在します。
以下に、より詳しく注意点と隠れたコストを解説します。
1. バッテリーの寿命が短く、突然の電源切れが起きやすい
スマートフォンのバッテリーは消耗品であり、充電回数や経年劣化により性能が徐々に低下します。
とくに2年以上使用されたスマホは、満充電でも数時間しか持たないケースも珍しくありません。
子どもが外出先で使用中にバッテリーが切れてしまえば、連絡手段が途絶えることになり、安全面でも非常に大きなリスクとなります。
さらに、寒暖差の激しい環境下ではバッテリーの消耗が加速されやすく、季節によってはさらに使用時間が短くなります。
バッテリー交換には5,000〜10,000円程度の費用がかかることもあり、「無料で持たせるつもりが出費が増えた」という事態にもなりかねません。
2. 古いOSやアプリの非対応問題
古いスマホは、最新のOSに対応していないことが多く、セキュリティアップデートが停止している場合もあります。
これは、ネット利用やアプリ操作をする子どもにとって大きなリスクで、ウイルス感染や個人情報漏洩の危険性も否定できません。
また、最新のアプリがインストールできない・使えないという制限もあります。
たとえば、学校で使用が推奨されている学習アプリや、親子間の連絡に便利な見守りアプリ、GPS追跡機能付きのサービスなどが、古い端末では正しく動作しないケースもあります。
3. 故障リスクが高く、修理費用が高額になりがち
使い古されたスマホは、バッテリー以外にも内部基板や画面・カメラなどの劣化が進んでいることが多く、ちょっとした落下や衝撃で故障する可能性が高まります。
しかも、メーカー保証がすでに終了している場合がほとんどで、修理が必要になれば、全額自己負担となります。
また、部品がすでに生産終了しており、修理自体ができない、もしくは修理費用が新品購入と変わらないほど高額になることもあります。
中古で新しい機種を買い直すよりも割高になってしまうリスクを考慮しておく必要があります。
4. 通信環境やSIM規格が古く、使い勝手が悪い
古いスマホは、最新の通信規格に非対応だったり、SIMカードの形状が特殊だったりする場合があります。
特に、格安SIMやキッズ向け通信サービスを利用しようとした際に、SIMカードが物理的に合わなかったり、通信が不安定だったりすることで、プラン選択の幅が制限されるという問題が起きがちです。
また、通信速度が遅くなることもあり、動画学習や地図アプリなどをスムーズに使えないことも。
これは子どもにとってストレスとなり、学習や防犯の観点でも望ましくありません。
5. セキュリティ・フィルタリング設定が不完全になりやすい
スマホを子どもに持たせる上で重要なのが、利用制限やフィルタリング機能の設定です。
しかし、古い機種はこれらの機能が搭載されていなかったり、対応するアプリがインストールできなかったりと、制限機能が不十分になることがあります。
また、キャリアを通じたフィルタリング(たとえば「あんしんフィルター for docomo」など)も、端末やOSのバージョンが古いと利用不可となる場合があり、親の管理が難しくなります。
6. 見た目や使い心地に不満を感じやすい
子どもは友達との比較に敏感です。周囲の友達が新しいスマホを持っている中で、自分だけが型落ちで古びたスマホを使っていると、劣等感やストレスにつながることもあります。
また、動作が遅く、フリーズが頻発するようなスマホでは、子ども自身が使いたくないと感じてしまい、せっかく渡しても結局使わなくなるというケースも少なくありません。
7. 結局は“短期間しか使えない”という問題
これらの問題を総合すると、古いスマホは、最初の数ヶ月〜1年程度の「つなぎ」用途としては使えるかもしれませんが、2年3年と継続的に使わせるには不向きなケースが多いです。
その結果、再度端末の見直しが必要となり、最終的な総コストが高くなる可能性があります。
新しいスマホを購入した場合の利点
「スマホを買う=高い」という固定観念を持っている保護者は少なくありません。
しかし、現在のスマートフォン市場では、端末購入支援制度や契約キャンペーンを活用することで、実質ほぼ無料または月額数百円で新しいスマホが持てるという選択肢が増えています。
また、最新の端末には、子どもが使ううえで安心できる性能や機能が数多く搭載されており、安全性・耐久性・操作性の面でも大きな利点があります。
以下では、その具体的なメリットを詳しく解説します。
1. 返却型プログラムで初期費用を抑えられる
ドコモ・au・ソフトバンクといった大手キャリアでは、「返却前提型」の購入プログラムが一般的になっています。
代表的な例としては以下のようなものがあります。
- ドコモ:いつでもカエドキプログラム
- au:スマホトクするプログラム
- ソフトバンク:新トクするサポート
これらは、端末代金を36回や48回に分割し、2年または3年で端末を返却すれば、残りの分割支払いが免除されるという仕組みです。
月額は実質的に数百円〜1,000円台に抑えられ、契約時の負担も少ないため、初めてスマホを持たせる小学生にも最適です。
2. 最新OSとセキュリティで安心の使用環境
新しいスマホは、最新のAndroidやiOSに対応しており、セキュリティパッチも頻繁に配信されます。
これにより、ウイルスやフィッシング詐欺、個人情報漏洩といったリスクを大幅に軽減できます。
また、アプリの動作環境としても最新OSは安定性が高く、親が管理する見守りアプリや時間制限アプリなどもスムーズに設定でき、フィルタリングとの相性も良好です。
3. 子ども向けの管理機能や連携機能が豊富
新しいスマホであれば、親が子どもの利用を管理するための各種機能を活用できます。
例えば、
- Google ファミリーリンク(Android端末)
- スクリーンタイム(iPhone)
- あんしんフィルター(キャリア提供)
これらの機能を使えば、使用時間の制限、アプリインストールの管理、ウェブサイトのブロック、位置情報の把握など、子どものスマホ利用を細かくコントロールできます。
これらのサービスは最新端末に最適化されており、古いスマホでは非対応だったり、設定が不安定になることもあります。
4. 耐久性・防水性能が高く安心して持たせられる
最近のスマートフォンは、耐衝撃・防水・防塵といった性能を備えたモデルが増えています。
たとえば、iPhone SEやAQUOS senseシリーズなどは、価格帯が比較的安価でありながら、IP68の防水防塵性能を備えており、子どもが屋外で使っても安心です。
また、強化ガラスが使われているモデルも多く、ポケットからの落下などの事故にも強いため、長期間安定して使用できる点が大きな利点です。
5. 処理速度が速く、ストレスのない操作性
新しいスマホは、アプリの起動やページの表示、カメラの切り替えなどが非常にスムーズです。
特に子どもは操作に慣れていないため、動作が遅いとイライラしてしまったり、誤操作につながることもあります。
最新端末であれば、低価格帯のモデルでも十分な処理能力を備えており、学習アプリや通話、ビデオチャットといった基本的な使用にも支障がありません。
6. トラブル時のサポート体制が整っている
新しいスマホを契約とセットで購入する場合、多くのキャリアが端末補償オプションを提供しています。
月額数百円で以下のようなサービスが受けられます。
- 故障時の交換端末配送(最短翌日)
- 紛失時の再発行や遠隔ロック対応
- 画面割れや水没などにも一部対応
特に子どもが使用する端末は故障や紛失のリスクが高いため、サポートが充実していることは大きな安心材料になります。
7. 今後の学習や生活に応じた拡張性が高い
小学生のうちは主に通話や位置情報の確認がメインかもしれませんが、中学・高校と進むにつれて、オンライン学習やグループチャット、スケジュール管理、クラウド活用など、スマホを使った活動の幅が広がります。
その際、古いスマホではスペックや容量が不足しがちですが、新しいスマホであれば、余裕を持って学習ツールやSNSの利用に対応でき、買い替えのタイミングを先延ばしにできます。
8. 本体価格だけでなく通信費も抑えられるケースがある
新しいスマホの購入は、通信契約とセットにすることで、月額料金自体も割引されるケースが多いのが特徴です。
たとえば、家族割やU15割引、光回線とのセット割などを適用すれば、データ通信料を含めても月額1,000円〜2,000円台で収まるプランも存在します。
また、楽天モバイルやIIJmio、LINEMOなどの格安SIMと組み合わせることで、より低価格で維持することも可能です。
9. 返却時の査定やトレードインでコスト回収も可能
端末を返却前提で購入していない場合でも、新しいスマホは中古市場での価値が高く、トレードインや下取りがスムーズです。
Appleや大手キャリアでは公式に下取りサービスを行っており、次の端末購入時に数千〜数万円の割引として使えるケースもあります。
これにより、将来的に端末を乗り換える際の出費も抑えることができ、結果的に古いスマホよりもコスパが良くなるのです。
古いスマホの再利用には“隠れコスト”がある
端末代が無料であるという点に注目しがちですが、実際には以下のようなコストが発生するリスクがあります。
- バッテリー交換:約5,000〜10,000円
- 修理費用:1万円〜端末によっては2万円以上
- SIM変換アダプター・アクセサリーなどの購入費用
- セキュリティアプリの導入費用
一見コストを抑えたつもりが、安心・快適に使うために意外な出費がかさむということも十分にありえるのです。
コスト比較:古いスマホと新しいスマホ、どちらが得か?
比較項目 | 古いスマホ | 新しいスマホ |
---|---|---|
初期費用 | 0円(手元にある場合) | 0円〜(分割+返却プログラム) |
バッテリー持ち | 劣化して短い | 良好で長時間使用可 |
セキュリティ | OSアップデート非対応の恐れ | 最新のセキュリティ更新に対応 |
トラブル時のサポート | 基本的に自己負担 | 保証サービスで安心 |
使用可能年数 | あと1〜2年程度 | 3〜4年程度を想定 |
フィルタリング・GPS | 一部非対応 | 対応アプリが豊富 |
このように比較してみると、古いスマホはコスト面では魅力的に見えるものの、長期的な視点では新しいスマホの方が安全性・利便性・経済性のバランスが良いといえます。
新しいスマホを「レンタル感覚」で使うのが今の主流
特に近年では、子ども向けにスマホを2〜3年だけ持たせたいというニーズに応える形で、返却前提の分割プランが各社から登場しています。
これらを活用すれば、月々の負担は実質数百円〜1,000円前後で済みます。
たとえばドコモの「いつでもカエドキプログラム」や、ソフトバンクの「新トクするサポート」、auの「スマホトクするプログラム」などが代表的です。
これらは2年〜3年使用後に端末を返却することで、残債を支払わずに済み、子どものスマホデビューにも最適です。
古いスマホよりも新しいスマホを賢く選ぶのが実は得策
古いスマホを再利用することは「初期コストをかけたくない」と考える保護者にとって魅力的な選択肢ではありますが、バッテリーやセキュリティの問題、サポートの不在など、将来的に負担になるリスクが多いのも事実です。
それに対して、新しいスマホを返却型分割で導入することで、実質的な支払い負担は最小限に抑えつつ、安心で快適な環境を子どもに提供できます。
特に小学生のうちは突然のトラブルや安全面の不安もあるため、親としては性能・保証ともに充実した機種を選ぶことが賢明です。
最終的に、単なるコスト比較ではなく、子どもにとっての「安全」「使いやすさ」「トラブル時の安心感」を総合的に判断したうえで、将来の買い替え負担まで見据えた選択が重要となります。