子どもが小学校に入学すると、登下校や外出時の安全をどう確保するかは親にとって大きな関心事です。
特に低学年のうちは行動範囲も広がり、まだ交通ルールに不慣れなことも多いため、見守り手段としてスマホやGPS端末の導入を検討する家庭が増えています。
しかし、「スマホは早すぎるのでは?」「GPSってどんなもの?」「どちらが安く使えるのか?」など、選択に迷う声も多く聞かれます。
そこで今回は、小学生の見守りに活用されている子ども向けGPS端末とスマホを費用面・機能面から徹底比較し、それぞれの特徴や選び方のポイントを詳しく解説していきます。
初めて子どもを一人で外出させることに不安を感じる方や、見守りグッズの導入を迷っているご家庭にとって、実用的な判断材料となる内容をお届けします。
もくじ
小学生にGPSを持たせるという選択肢
小学校低学年の子どもにスマートフォンを持たせることに、不安を感じる保護者は多いものです。
SNSトラブルやインターネット依存などのリスクを考えると、早すぎるスマホの所持には慎重にならざるを得ません。
そうした中で注目されているのが、「GPS端末を持たせて子どもの居場所を把握する」という選択肢です。
子ども用のGPS端末は、位置情報の取得に特化したシンプルな機器で、スマホのような多機能性はありませんが、その分操作が簡単で、子ども自身が機械操作に不慣れでも問題なく利用できます。
ランドセルに付ける、ポケットに入れるといった使い方が主流で、登下校時や放課後の外出時の安全確認に役立ちます。
また、「子どもの行動範囲をあらかじめ設定し、外れると保護者に通知が届く」というジオフェンス機能を搭載している機種も多く、共働き家庭や送迎が難しい状況でも子どもの安全をしっかり見守ることができます。
近年では学校側が「スマホはNGでもGPS端末なら持ち込み可」としているケースも増えており、学校生活と家庭での安全管理の両立にも適しています。
スマホの導入を見送る代わりに、まずはGPS端末で子どもの見守りをスタートする家庭が年々増加しているのが現状です。
子ども向けGPS端末とは?
子ども向けGPS端末とは、子どもの現在地をリアルタイムで確認できる専用の見守りデバイスです。
小型・軽量で、ランドセルや衣服に取り付けやすく設計されており、親のスマートフォンと連携して子どもの移動履歴や現在位置をアプリ上で把握できます。
端末には通話機能や通知ボタン(SOSボタン)などを備えたタイプもあり、緊急時の連絡手段としても利用可能です。
ただし、インターネットやゲーム、SNSといった機能は搭載されていないため、必要最低限の機能に限定されており安心感があるのが最大の魅力です。
通信方式は、docomo・SoftBank・auなどの回線を利用したモバイル通信型が主流で、Wi-FiやBluetoothと組み合わせて使えるモデルもあります。
月額利用料はおおむね300~700円程度で、スマホよりも圧倒的にコストを抑えながら安全管理が可能です。
GPS端末にかかる費用
子ども向けGPS端末にかかる費用は、本体価格と通信費(月額利用料)の2つに分かれます。
選ぶ端末やプランによって費用は大きく変動するため、家庭のニーズに合ったタイプを選ぶことが重要です。
1. 月額契約タイプのGPS端末
多くのGPS端末は、通信機能を備えたモバイル通信型で、月額の利用料金がかかります。
これは携帯電話と同じように、SIMカードを内蔵していて、子どもの位置情報を随時取得し、アプリなどで保護者が確認できる仕組みです。
代表的な例(2025年6月時点の目安):
- みもり:端末本体7,480円(税込)、月額528円~
- あんしんウォッチャー:端末本体5,500円(税込)、月額539円~
- ココセコム:月額990円+端末レンタル料金
- BoTトーク(Bsize):端末本体5,980円(税込)、月額748円(音声メッセージ対応)
月額タイプのメリットは、常に最新の位置情報がリアルタイムで取得できること、緊急通知や通知エリア設定(ジオフェンス)など多機能であることです。
一方で、年間で見たときに通信費が数千円から1万円以上になるため、長期間使用するとスマホとあまり変わらないコストになることもあります。
2. 買い切りタイプのGPS端末
通信費が不要、または非常に安価な買い切り型GPS端末も存在します。このタイプは主に以下の2パターンです。
- 1年または2年間の通信費込みで販売されているもの(例:「まもサーチ」)
- BluetoothやWi-Fiを利用した限定範囲の追跡機能を持つ端末(例:AirTagなど)
代表的な例
- まもサーチ3:本体5,280円(税込)、通信料1年分込み。2年目以降は月額528円。
- AirTag(Apple):本体4,780円(税込)程度、通信料不要。ただしiPhoneユーザーが周囲にいないと位置情報が取得できないため実用性に難あり。
買い切り型のメリットは、ランニングコストを抑えられる点にあります。
一方で、リアルタイム性が低かったり、エリア限定、紛失時にすぐ発見できないなどの制約もあります。
3. トータルコストの比較
以下は、GPS端末にかかる費用の目安を1年間で試算したものです。
端末名 | 本体価格 | 月額料金 | 1年総額 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
みもり | 7,480円 | 528円 | 13,816円 | シンプル設計、使いやすい |
BoTトーク | 5,980円 | 748円 | 14,956円 | 音声メッセージ対応 |
まもサーチ3 | 5,280円 | 0円(1年分込み) | 5,280円 | 買い切り型でランニングコストなし |
AirTag | 4,780円 | 0円 | 4,780円 | iPhoneが必要、簡易追跡 |
4. 選び方のポイント
- 頻繁に位置を確認したい:月額通信型の端末が最適(リアルタイム性重視)
- 最低限の見守りでOK:買い切りタイプやAirTagで初期費用のみで完結
- 費用を抑えたい:1年分通信費込みの買い切り型がコスパ良好
家庭の使い方や子どもの行動範囲によって、最適な選択肢は変わります。
ランニングコストと機能性をよく比較して選びましょう。
子ども向けGPSの主な機能
子ども向けGPS端末は、単なる「現在地の把握」だけでなく、保護者の不安や心配を減らすための多彩な見守り機能が搭載されています。
以下に、よくある主要機能とその詳細を解説します。
1. リアルタイム位置情報の表示
もっとも基本的な機能で、子どもの現在地を地図上に表示するものです。
端末が通信を通じて現在地を定期的に送信し、スマホアプリで保護者が確認できます。
多くのGPS端末では5分~10分間隔で更新され、保護者側で設定変更できるものもあります。
2. 移動履歴の確認
子どもがその日どこを通ったのか、移動ルートを履歴として表示する機能です。
通学路の確認や、放課後に寄り道をしていないかなどを把握でき、行動パターンのチェックにも役立ちます。
3. エリア通知(ジオフェンス)
「学校に到着したら通知」「塾を出たら通知」といった、あらかじめ設定した場所に出入りすると保護者に通知が届く機能です。
これにより、常時アプリを開かなくても子どもの行動が把握できます。
設定できる地点は3~10カ所程度の機種が多く、「到着通知」「出発通知」をそれぞれ設定できます。
4. SOSボタン・緊急通知機能
子どもが緊急時にSOSボタンを押すことで、保護者に即時通知が届く機能です。
一部端末では、SOS時に位置情報とともに音声メッセージや自動録音が送信されるタイプもあり、防犯面での安心感が高まります。
例:BoTトークやあんしんウォッチャーなどでは、押すだけでメッセージ送信や通知を送れる機能が搭載されています。
5. 音声メッセージ・通話機能
見守り端末の中には、音声メッセージの送受信や簡易通話ができるものもあります。
スマホほどの自由な通話はできませんが、「今から帰るよ」など簡単なやり取りで安心感を得ることができます。
なお、通話機能がある端末は月額料金が高めに設定されていることも多いため、機能とコストのバランスが重要です。
6. バッテリー残量通知
端末の充電が少なくなると、保護者のスマホに通知が届く機能です。
GPS端末の多くは連続使用で2~7日ほど持ちますが、充電し忘れによる「使えないトラブル」を避けるためにも、この機能は重宝されます。
7. 学校モード・時間帯制限
一部のGPS端末には、学校などで通知音やライトを出さない「マナーモード」や、位置情報の送信頻度を下げる省電力設定などがあります。
学校からGPS端末の使用に制限がある場合、この機能があると安心です。
8. 家族での情報共有
保護者だけでなく、祖父母や別居中の親など複数の端末で同時に見守りできる機能もあります。
複数アカウントでアプリ共有が可能なサービスを選べば、家族みんなで子どもの安全をサポートできます。
9. 紛失時の位置検索
万が一子どもが端末を紛失してしまった場合でも、最後の位置を地図で確認できる機能により、落とし物の捜索にも役立ちます。
10. 歩数計・活動量モニタ
あまり多くはありませんが、健康志向の家庭では、歩数や移動距離を記録する機能が付いたGPSも人気です。
日々の活動量を確認し、健康管理にも役立ちます。
---
これらの機能は端末によって搭載の有無が異なるため、「どんな使い方をしたいか」を明確にしてから選ぶことが重要です。
特に小学生の場合は、「学校到着の通知」「通話の要否」「防犯面の安心感」などを軸に選ぶと、無駄なコストを抑えつつ満足度の高い見守りが可能になります。
GPS端末の種類と特徴
子ども向けGPSと一口にいっても、機能や通信方式、料金体系の違いによっていくつかのタイプに分かれます。
それぞれにメリット・デメリットがあり、家庭の使い方や予算に応じた選び方が大切です。
ここでは主なGPS端末の種類と、それぞれの特徴を詳しく解説します。
1. 通信型GPS(リアルタイム更新型)
もっとも一般的なタイプで、本体にSIMカードを内蔵し、モバイル通信でリアルタイムに位置情報を送信するモデルです。
親のスマホに専用アプリをインストールすれば、子どもの現在地や移動履歴をいつでも確認できます。
主な特徴
- リアルタイムで位置把握が可能
- 移動履歴やジオフェンス(エリア通知)機能が搭載されているものが多い
- 月額料金がかかる(300円〜1,000円台)
代表例:「BoTトーク」「あんしんウォッチャー」「みてねみまもりGPS」など
2. Wi-Fi補助型GPS
GPS単独ではなく、Wi-Fiのアクセスポイント情報を補助的に使って位置を特定するタイプです。
地下やビル内など、GPS信号が弱い場所でもある程度の精度を保てますが、正確性はGPS単独にやや劣ることもあります。
主な特徴:
- GPS+Wi-Fiの併用で精度を補完
- 市街地や屋内での使用に強い
- 建物内での誤差もやや大きくなることがある
3. 買い切り型GPS(通信契約不要タイプ)
本体購入のみで通信契約不要のGPSもあります。
これらはリアルタイムの位置情報共有には向きませんが、「記録型」や「ローカル通信型」の位置情報確認ができるものもあります。
主な特徴
- 月額料金が不要
- 一部はBluetoothなどを使って親機と連動
- リアルタイムの追跡は基本的に不可
- 費用は安いが使い方が限定的
代表例:「Tile」「MAMORIO(マモリオ)」など
4. 音声通話機能付きGPS
通話や音声メッセージの送受信が可能なGPSで、スマホと子どもの中間的な存在ともいえる端末です。
防犯面で安心できる一方、月額料金が比較的高めになります。
主な特徴:
- SOS時に音声で連絡ができる
- 簡易的な連絡ツールとして活用可能
- 操作が複雑になる場合もあり、低年齢層には不向きなことも
代表例:「Hamic MIELS(ハミックミエルス)」「まもサーチ」通話機能付きモデル など
5. スマートウォッチ型GPS
腕時計の形状をしていて、GPSや通話、アラーム、健康管理など複数機能を1台に搭載しているタイプです。
見た目もおしゃれで、小学生高学年~中学生に人気があります。
主な特徴
- 通学や習い事中にも装着しやすい
- アプリ連携で通知・見守りが可能
- 高機能なぶん価格や月額費用が高め
代表例:「myFirst Fone」「imoo Z6」など
6. 防犯ブザー付きGPS
GPSに防犯ブザーやライトを組み合わせた、安全対策重視のモデルです。
防犯面を最重視する家庭に選ばれています。通話機能はなく、見守り機能に特化しています。
主な特徴:
- SOSボタンで位置情報送信+アラーム作動
- 登下校時の不安に対する備えとして有効
- 小型で軽量、操作もシンプル
代表例:「GPS BoT防犯ブザー付」「ココセコム」など
選ぶ際のポイント
各GPS端末には一長一短があるため、「子どもがどんな場面で使うか」を基準に選ぶことが大切です。
以下のようなケースに応じて使い分けるとよいでしょう。
- 幼児や低学年:操作が簡単で軽量、小型の通信型GPSが安心
- 習い事が多い:エリア通知や音声機能付きタイプ
- コスト重視:買い切りタイプや通信頻度が少ないモデル
- 中学年~:スマートウォッチ型で多機能を兼ねるのもあり
端末価格は5,000〜20,000円、月額費用は0円〜1,000円台が目安です。
実際に使える機能と料金のバランスを見て、無理なく続けられるモデルを選ぶのがポイントです。
GPS端末の種類と特徴
子ども向けGPSと一口にいっても、機能や通信方式、料金体系の違いによっていくつかのタイプに分かれます。
それぞれにメリット・デメリットがあり、家庭の使い方や予算に応じた選び方が大切です。
ここでは主なGPS端末の種類と、それぞれの特徴を詳しく解説します。
1. 通信型GPS(リアルタイム更新型)
もっとも一般的なタイプで、本体にSIMカードを内蔵し、モバイル通信でリアルタイムに位置情報を送信するモデルです。
親のスマホに専用アプリをインストールすれば、子どもの現在地や移動履歴をいつでも確認できます。
主な特徴:
- リアルタイムで位置把握が可能
- 移動履歴やジオフェンス(エリア通知)機能が搭載されているものが多い
- 月額料金がかかる(300円〜1,000円台)
代表例:「BoTトーク」「あんしんウォッチャー」「みてねみまもりGPS」など
2. Wi-Fi補助型GPS
GPS単独ではなく、Wi-Fiのアクセスポイント情報を補助的に使って位置を特定するタイプです。
地下やビル内など、GPS信号が弱い場所でもある程度の精度を保てますが、正確性はGPS単独にやや劣ることもあります。
主な特徴:
- GPS+Wi-Fiの併用で精度を補完
- 市街地や屋内での使用に強い
- 建物内での誤差もやや大きくなることがある
3. 買い切り型GPS(通信契約不要タイプ)
本体購入のみで通信契約不要のGPSもあります。
これらはリアルタイムの位置情報共有には向きませんが、「記録型」や「ローカル通信型」の位置情報確認ができるものもあります。
主な特徴
- 月額料金が不要
- 一部はBluetoothなどを使って親機と連動
- リアルタイムの追跡は基本的に不可
- 費用は安いが使い方が限定的
代表例:「Tile」「MAMORIO(マモリオ)」など
4. 音声通話機能付きGPS
通話や音声メッセージの送受信が可能なGPSで、スマホと子どもの中間的な存在ともいえる端末です。
防犯面で安心できる一方、月額料金が比較的高めになります。
主な特徴:
- SOS時に音声で連絡ができる
- 簡易的な連絡ツールとして活用可能
- 操作が複雑になる場合もあり、低年齢層には不向きなことも
代表例:「Hamic MIELS(ハミックミエルス)」「まもサーチ」通話機能付きモデル など
5. スマートウォッチ型GPS
腕時計の形状をしていて、GPSや通話、アラーム、健康管理など複数機能を1台に搭載しているタイプです。
見た目もおしゃれで、小学生高学年~中学生に人気があります。
主な特徴:
- 通学や習い事中にも装着しやすい
- アプリ連携で通知・見守りが可能
- 高機能なぶん価格や月額費用が高め
代表例:「myFirst Fone」「imoo Z6」など
6. 防犯ブザー付きGPS
GPSに防犯ブザーやライトを組み合わせた、安全対策重視のモデルです。
防犯面を最重視する家庭に選ばれています。通話機能はなく、見守り機能に特化しています。
主な特徴:
- SOSボタンで位置情報送信+アラーム作動
- 登下校時の不安に対する備えとして有効
- 小型で軽量、操作もシンプル
代表例:「GPS BoT防犯ブザー付」「ココセコム」など
選ぶ際のポイント
各GPS端末には一長一短があるため、「子どもがどんな場面で使うか」を基準に選ぶことが大切です。
以下のようなケースに応じて使い分けるとよいでしょう。
- 幼児や低学年:操作が簡単で軽量、小型の通信型GPSが安心
- 習い事が多い:エリア通知や音声機能付きタイプ
- コスト重視:買い切りタイプや通信頻度が少ないモデル
- 中学年~:スマートウォッチ型で多機能を兼ねるのもあり
端末価格は5,000〜20,000円、月額費用は0円〜1,000円台が目安です。
実際に使える機能と料金のバランスを見て、無理なく続けられるモデルを選ぶのがポイントです。
GPSは安心と節約を両立できる選択肢
子どもの安全を守る手段として、GPS端末はシンプルでありながら非常に有効です。
スマートフォンに比べて費用負担も少なく、操作も簡単。節約と安心の両方を手に入れたい子育て家庭にとって、非常に現実的な選択肢といえるでしょう。
「まだスマホは早いけど、安全は確保したい」そんな思いを持つ家庭こそ、一度GPS端末の導入を検討してみる価値があります。