同棲カップルや新婚夫婦など、二人暮らしを始めるときに意外と見落とされがちなのが「家計管理の方法」です。
家賃や光熱費、食費、日用品などの生活費をどう分担するかをあいまいにしたまま生活を始めてしまうと、あとからトラブルや不公平感が生まれてしまうこともあります。
そこでおすすめしたいのが、二人でひとつの財布を持つ「共通財布(共同財布)」という考え方。
支出を一本化することで、お金の流れが見えるようになり、無駄遣いや不満を防ぎやすくなります。
この記事では、共通財布の基本的な作り方と、無理なく運用するためのコツを、初心者向けにわかりやすく解説します。
もくじ
共通財布とは?なぜ作ると良いのか
共通財布とは、二人の収入の一部または全体を一か所にまとめ、生活費や貯金、固定費などをその口座(または現金)から管理する方法です。
まるで「一つの家庭としての家計」を運営するイメージで、お金の出入りが明確になり、節約意識も高まりやすくなります。
主なメリットとしては以下のような点が挙げられます。
・生活費の分担が明確になる
・不公平感や「どっちが多く出してる問題」がなくなる
・二人の将来設計や貯金がしやすくなる
・お金の流れが「見える化」され、節約意識が自然に高まる
ただし、共通財布はあくまで「信頼関係」が前提。どちらか一方がルールを無視して勝手に使ってしまったり、収入・支出を隠すようなことがあると機能しません。
共通財布の基本的な作り方
1. どこにお金を入れるかを決める
共通財布を運用するためには、「共通口座」または「現金管理」が必要です。
銀行口座を使うなら、二人ともアクセスできるネット銀行がおすすめです。
例:楽天銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行など
現金派なら、封筒や専用財布を1つ用意して、その中に毎月の生活費を入れる方法でもOKです。
2. 収入のうちどれくらいを入れるか決める
二人の収入額に応じて、共通財布に入れる金額や割合を決めましょう。
・同額を出し合う(折半)
・収入に応じて割合を決める(6:4、7:3など)
・固定費は一方が支払い、変動費はもう一方が出す
生活スタイルや収入バランスに応じて、どの方法が公平で続けやすいかを話し合って決めることが大切です。
3. 支出ルールをあらかじめ決めておく
共通財布から何にお金を出すか、どう記録するかを明確にしておきましょう。
・家賃、光熱費、食費、日用品などを共通財布から出す
・衣類・趣味・交際費などは各自の財布から出す
・レシートはまとめて保管する or 家計簿アプリで管理する
ルールがあいまいだと「それも共通費?」といった揉め事になりやすいため、最初にざっくりでも方向性を決めておくことがポイントです。
4. 貯金も共通で積み立てるのがおすすめ
生活費だけでなく、旅行資金や将来の備えとして、共通口座に「目的別貯金」を設けておくと便利です。
毎月1万円ずつ積み立てていけば、半年で6万円、1年で12万円と、自然と大きな金額になります。
「結婚式用」「旅行用」「緊急費用用」などのラベルをつけて分けておくと、使い道が明確になってムダ遣いを防げます。
共通財布をうまく続けるためのコツ
1. お金の話を「定期的にする」習慣を持つ
共通財布を運用するうえで何より大切なのが、定期的にお金について話すこと。
月1回、「今月の支出どうだった?」「来月はここを削れそうだね」といった軽い“家計ミーティング”を開くだけでも、お互いの意識が高まり、モヤモヤをためずに済みます。
2. 家計簿アプリを活用する
レシート管理が面倒な人は、共通で使える家計簿アプリを使うのもおすすめです。
・OsidOri(夫婦共有機能あり)
・マネーフォワード ME(自動連携+グラフ表示)
・Zaim(レシート撮影OK、シンプル操作)
それぞれスマホで簡単に共有でき、月ごとの支出が自動で分類されるので、面倒な記録作業も最低限で済みます。
3. 自由なお金も確保しておく
共通財布を管理する一方で、それぞれが「自由に使えるお金(お小遣い)」を確保しておくことも重要です。
全ての支出を共通化してしまうと、「使うたびに申し訳なくなる」「自由がない」と感じてしまい、ストレスや不満の原因になります。
毎月、各自の財布にいくらか残すことで、プライベートなお金の管理も両立できます。
4. 柔軟に見直していく
生活環境や収入が変われば、家計の状況も変化します。
最初に決めたルールが合わなくなってきたら、遠慮せずに見直しましょう。
たとえば、
・二人の収入差が広がってきた
・共通口座の管理が煩雑になってきた
・もっと節約したい
など、変化に応じてルールを更新していくことが、長続きする秘訣です。
二人暮らしは“ゆるく共有”から始めよう
共通財布は、二人暮らしの家計管理を円滑にするための強力なツールです。
「まずは家賃と食費だけ一緒にしてみる」など、ゆるやかにスタートすることで、無理なく家計の“見える化”が実現します。
大切なのは、完璧な仕組みを作ることではなく、お互いが気持ちよく、安心してお金を使える状態をつくること。
二人の信頼関係を深めながら、共通財布を上手に活用していきましょう。